2025.06.12

啄木鳥会6月度活動報告

東京支部

6月度句会当日の東京は、梅雨入りを実感させるような小雨の降り続く一日でした。
全員が投句され、投句された全員の句を山田閏子先生に推敲いただきました。今月度の兼題は「実梅」「青芒」と「夏帽子」でした。各自がそれぞれ5句を投句し、山田先生に添削を戴いた上で、お一人一句の優秀句を選定していただきましたので、以下に紹介させていただきます。

山田先生 み吉野の太古の闇に蛍かな
矢倉乱白 畑仕事麦稈帽に腰手拭
矢治宏風 渡りくる裾野の風や青芒
田中道舟 荒畑やざわざわ揺るる青芒
海外夢涼 お揃ひのくまのぷーさん夏帽子
松野馬笑 梅を干し母の昔を懐しむ
小泉山月 山門の奥へ消ゑゆく夏帽子
斎藤光星 梅雨の蝶森の暗さを白く抜け
重田遊糸 銀ブラの夫人の被る夏帽子
屋代弁采 静さや実梅の落つる響きあり
吉武霞洞 今年また膝の古傷梅雨に入る
福井彩華 氷砂糖溶けだし揺らぐ実梅かな
阿部晧月 美しくつぶらな実梅ひとつもぐ
本藤水月 利根川を縁取つている青芒
井上法陽 かくれんぼ麦藁帽の見えている
小川哲州 夕暮れの蕎麦屋の路地や実梅踏む
小島芒埜 母とゐるいつもの砂場夏帽子
飯島弘伸 見送りし君のかぶりし夏帽子

文字の大きさ