2025.04.03
豊友会俳壇(豊友会だより75号)

豊友会だより第十六回俳壇へのご応募ありがとうございました。投句いただいた全作品を掲載します。
次回、第十七回俳壇へのご応募をお待ちしております。
赤塚愼一郎 日の丸の旗翩翻と今朝の春
赤塚愼一郎 鼻歌の心小春や妻の閨
赤塚愼一郎 独り身の墨絵を開き筆始
浅見茂 落葉落葉落葉色とりどりの庭
浅見茂 孫たちの祖母直伝のおでん鍋
浅見茂 写真屋のひよつとこの顔七五三
阿部晧一 ビタミンに吾が座を得たる去年今年
阿部晧一 人生の錆削りたし初祓
阿部晧一 縁側の二つの湯呑冬日向
安藤正紀 行く秋の彩り遅き樹々なりし
安藤正紀 鶯の開花うながす飛鳥山
安藤正紀 霜柱落葉日傘に耐え忍ぶ
飯島弘 年明けの空に沸き立つビッグバンド
飯島弘 はじまりは若狭の一杯御水取り
飯島弘 去りしジョン今年も蜩聞きたるか
井上法子 落ち葉焚き終われば黄金の褒美あり
井上法子 待ち遠しい節句を祝う初音かな
小川哲司 三色の落葉を散らす欅かな
小川哲司 門松の前を駆け行く駅伝や
小川哲司 花八手北条眠る円覚寺
小俣祥忠 過去の色今の輝き枯葉かな
小俣祥忠 日の満てる庭に鶯鳴いてをり
小俣祥忠 木漏れ日に羽休めたる瑠璃揚羽
海外涼 ベビーカー双子のサンタやって来た
海外涼 わんちゃんも獅子舞衣装の初詣
海外涼 冬の空三日月と星のランデヴー
川上千里 朴落葉風に任せし余生かな
川上千里 鴬の声を乗せたる沼の風
川上千里 注連飾り長老の声響きおり
川畑耕祐 鶯の鳴き声背なに門くぐる
川畑耕祐 落葉かく音が聞こえる庭の方
川畑耕祐 初詣吉の出るまで御籤ひく
小泉隆広 日あたりの林道塞ぐ落葉かな
小泉隆広 鶯の鳴きたる枝の蕾かな
小泉隆広 改まり床の間華やぐ破魔矢かな
斎藤光 銀杏落葉途切れ二人の立話
斎藤光 灯をかざし若水桶に満たしけり
斎藤光 放ちたるあとも直立弓始
重田康之 鶯の声を聞きたる目覚めかな
重田康之 鶯や坪庭の角声ありき
重田康之 落葉踏み足にやさしく心地良し
庄司忠夫 篝火や能を観るさなかちちろ鳴く
庄司忠夫 茅屋を明るく照らす十三夜
庄司忠夫 孫の無き菊の節句や老いの連れ
田中道泰 風の中落葉蹴りつつ下校の子
田中道泰 二羽の数の子そなふ君の膳
田中道泰 真青なる空より溢る淑気かな
塚本歌子 鶯のひと声響き山に春
塚本歌子 道染める落葉に時のうつろへる
塚本歌子 鶯の声に芽立ちのうながされ
土田悦男 夕闇に響く音色や風の盆
土田悦男 さざんかの絨毯のごと散つてをり
土田悦男 つむじ風落葉とたわむる子の歓声
内藤俊彦 落葉踏む白き御嶽その先に
内藤俊彦 鶯や雨上がりの朝樹木の香
内藤俊彦 土筆摘む畦用水路にはメダカ
中村隆晴 雨後の朝路に張り付きし落葉かな
中村隆晴 鶯の鳴き故郷の径かな
中村隆晴 陽光に煌めく川面水温む
佛谷郁雄 梅雨晴や開きし傘にランドセル
佛谷郁雄 梅の香や揺れる小枝を鳥の翔つ
本藤聡子 薔薇の香と湯気に満たせし初湯かな
本藤聡子 ベランダに落葉の溜まる窪みあり
本藤聡子 鶯やリュック並びて歩きをり
屋代順治郎 渓流に落葉連なり流れゆく
屋代順治郎 鶯の遠くの初音たどたどし
屋代順治郎 春光や漁船一隻また一隻
矢倉弘泰 落葉舞ひ落葉舞ひ上ぐ九十九折
矢倉弘泰 峰々にうぐひすの声峠茶屋
矢倉弘泰 雲の峰崩れ初めたる赤城山
矢治宏之 落葉焚き今は昔の事となり
矢治宏之 雲一つなき初空に鳶の舞ふ
矢治宏之 鶯の声あちこちに楡木立
吉武繁廣 落葉掻籠いつぱいでひと休み
吉武繁廣 禰宜の径奥院からの初音かな
吉武繁廣 水疱瘡痛み和らぐ柚湯かな