2024.10.19
SDGsの目標達成度と目指す理念
土屋 裕
SDGsの17の目標(ゴール)の達成度は、紐づいた169の具体的ターゲットに関連する230以上の指標で評価され、国連は毎年、過年度の目標達成の進捗状況を報告している。
今年6月に発行された2024年度報告書(https://unstats.un.org/sdgs/report/2024/)では、SDGsの目標達成は危機に瀕しており、17の目標は達成の軌道から大きく外れていて、169のターゲットのうち 17% は目標に向かっているが、残り83%は限定的な進展または後退したという厳しい評価であった。
目標別では、COVID 19の影響を受けた目標2(貧困)や目標8(経済・雇用)と並び、近年世界中で頻発する異常気象・災害に関わる目標13(気候変動対策)、および目標14(海洋資源)の進行が大きく遅れている。
報告書発表後の記者会見で、アントニオ・グテーレス国連事務総長は「成績で言うと落第点だ」と怒りを表すとともに、目標達成に対するさらなる取り組みを呼び掛けた。
一方、同じく6月に科学雑誌Natureに著名な気候関連の科学者10名の意見記事が掲載され、SDGsの目標年度の2050年までの期間延長と目標毎のゴールの年度の変更を求めた。
2030年まであと6年しかないと思うと、現SDGsゴールの達成に悲観的になるが、「地球を守り、誰一人として取り残さない」という理念の実現には、われわれは永遠に取り組んでいかなければならないと改めて感じている。
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